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トラック運転手が退職代行を使うときに知っておきたいこと

更新: 2026-08-20 / やめてもいい編集部

結論から言うと、トラック運転手でも退職代行は使えます。ただし、運転中の道路上で突然辞めるようなことはできず、実行日は運行と運行の合間に設定するのが基本です。長時間の拘束と人手不足が重なる運送業では、「辞めたい」と思っても所長や配車担当に言い出せないまま日々が過ぎていく人が少なくありません。この記事では、言い出せない構造の整理から、実際に退職代行を使う場合の職種特有の注意点まで具体的に解説します。

なぜトラック運転手は「辞めたい」と言い出せないのか

結論として、運送業特有の労働環境が「言い出しにくさ」を強めています。まず、勤務時間の大半を一人で運転している時間が占めるため、所長や配車担当と落ち着いて話せる機会自体が限られます。事務所に立ち寄るのは点呼のタイミングだけということも多く、そこで込み入った話を切り出すのは現実的ではありません。さらに、配車は数日〜数週間先まで組まれているのが一般的で、「もう次の便が入っているのに今さら言えない」という心理が働きやすくなります。加えて、多くの営業所では所長やベテランドライバーとの関係が固定的で少人数のため、一度気まずくなると毎日の点呼や車両点検の時間も含めて居心地が悪くなる不安があります。これらが重なり、辞める決心はついていても言い出すきっかけがないまま時間だけが過ぎてしまう状態に陥りやすいのが、この職種の特徴です。

人手不足の構造は「2024年問題」の対応後も変わっていない

結論として、拘束時間の上限は法改正で下がりましたが、それに合わせて現場の人員が増えたわけではないため、一人あたりの負荷が下がったとは限りません。2024年4月には、トラック運転者の拘束時間や休息期間の基準を定めた「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)が改正・適用され、年間の時間外労働の上限規制も導入されました(厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」)。この改正自体はドライバーの労働環境を改善する目的で行われたものですが、運べる荷物量や必要な人員が同時に増えたわけではなく、現場では「同じ仕事量を、より短い拘束時間の中でどうこなすか」という別の負荷が生まれているとも指摘されています。つまり、法制度が変わったからといって、あなたが感じている忙しさや人手不足のプレッシャーがすぐに解消されるわけではありません。制度の変化と、目の前の職場の実態は分けて考える必要があります。

退職代行を使う場合の注意点(運行・貸与物)

結論として、運行中の車両を途中で放棄することはできないため、実行タイミングの調整が他の職種より重要になります。トラック運転手が退職代行を利用する際は、次の点を事前に業者へ伝えておくとスムーズです。

  • 実行タイミング:配車が組まれていない休み明けや、長距離便から戻った直後など、運行に穴を開けないタイミングを業者に相談できます。運転中や荷物を預かっている最中に一方的に業務を放棄することは、安全上も契約上も避けるべきです。
  • 車両・キーの返却:会社所有の車両・キー・ETCカード・デジタコのカードなどは、最終出社日にまとめて返却するか、郵送での返却に対応してもらえるか業者を通じて確認します。
  • 点呼記録・免許証の写しなど:勤怠管理のために会社が保管している書類がある場合、退職時の取り扱いを人事担当に確認しておくと安心です。
  • 寮・社宅に住んでいる場合:住み込みで働くドライバーも多いため、退去日の調整が必要になるケースがあります。辞めさせてくれないと感じたときの記事で人手不足を理由にした引き止めへの対処も整理しています。

「次のドライバーがいなくて困る」という罪悪感への回答

結論として、必要な人員体制を確保する責任は運送事業者側にあり、ドライバー個人が背負うものではありません。運送業は慢性的な人手不足の業界とされ、「自分が辞めたら誰も便を回せない」という罪悪感を抱えるドライバーは少なくありません。しかし、欠員が出ても事業が回る体制を組むことは、労働基準法や下請法・物流関連法制のもとで運送事業者が負うべき経営上の責任であり、一人のドライバーが自分の心身を削ってまで穴を埋める義務はありません。退職の意思表示自体も、民法上認められた労働者の権利です。もちろん、可能な範囲で引き継ぎの申し送りをしておけば十分で、完璧な引き継ぎができなかったとしても自分を責める必要はありません。

個人事業主(軽貨物・傭車)の場合は扱いが異なる

結論として、業務委託契約で働いている場合は「退職」ではなく「契約解除」の手続きになるため、雇用契約のドライバーとは対応が異なります。軽貨物ドライバーや傭車として個人事業主契約を結んでいる場合、労働基準法上の「労働者」に該当しない可能性があり、退職代行が前提とする「会社への退職の意思伝達」という枠組みがそのまま当てはまらないことがあります。契約解除の条件(予告期間・違約金の有無など)は業務委託契約書に定められているのが一般的です。まずは自分の契約書を確認し、契約解除の進め方や違約金条項の有効性など個別の法的判断が必要な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。会社との金銭トラブルに発展しそうな場合は辞めさせてもらえないときの記事で法的な整理の考え方も参考にしてください。

心身が限界なら、手続きより先にケアを

結論として、長時間の運転と拘束が続く中で心身の不調を感じている場合は、退職の手続きより先に体を休めることを優先してください。長距離運転や不規則な勤務が続くと、睡眠不足や慢性的な疲労が積み重なっていることに自分では気づきにくいものです。運転中に強い眠気や集中力の低下を感じる、出勤前に動悸がするといった状態が続く場合は、事故のリスクにも直結するため、無理をせず医療機関へ相談してください。労働条件についての悩みは、厚生労働省の「総合労働相談コーナー」(無料)でも相談できます。「言い出せない」という気持ちそのものについては言い出せないと感じる人へ向けた記事、退職後の気まずさが気になる場合は退職代行を使う気まずさへの向き合い方も参考にしてください。自分ひとりで会社に連絡することが難しいと感じる場合、退職代行という選択肢があります。当日以降の具体的な流れは退職代行を使った当日の流れ、貸与物の返却手順は私物と貸与物の返却に関する記事で詳しく解説しています。

運行に穴を開けないタイミングの相談も含め、会社との連絡窓口を一本化できる労働組合提携型です。

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よくある質問

トラック運転手でも退職代行は使えますか?
使えます。雇用契約で働いている場合、退職の意思を伝える手段として利用できます。ただし運行中の車両を途中で放棄することはできず、実行日は運行と運行の合間に設定するのが基本です。
個人事業主(軽貨物・傭車)でも退職代行は使えますか?
業務委託契約の場合、法的には「退職」ではなく契約解除の手続きになるため、対応の可否や進め方が雇用契約の場合と異なります。契約書の内容確認を含め、個別の判断は弁護士への相談をおすすめします。
「次のドライバーがいない」と言われて辞めさせてもらえません。どうすればいいですか?
期間の定めのない雇用契約は、申し入れから2週間で終了できるとされています(民法627条)。必要な人員体制を確保する責任は運送事業者側にあり、労働者個人が負うものではありません。
会社の車両やETCカード、点呼記録などはどう返却すればいいですか?
最終出社日に事業所へ返却するのが基本ですが、退職代行を利用する場合は郵送での返却に対応してもらえるケースが一般的です。詳しい手順は貸与物の返却に関する記事で解説しています。