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退職代行の利用率・実態データまとめ

更新: 2026-07-11 / やめてもいい編集部

退職代行サービスの利用率は、調査対象や聞き方によって2%前後〜5%程度と幅があり、20代に限ると利用率も認知度も他の世代より明確に高くなる傾向があります。企業側の調査では、2026年時点で全体の8.7%が退職代行経由の退職を経験したと回答しています。この記事では、東京商工リサーチ・マイナビ・厚生労働省など出典を確認できる一次データだけを整理し、そこから言えること・言えないことを解説します。

退職代行の認知度・利用率(個人向け調査)

退職代行サービスを対象にした個人向け調査では、「知っている(認知度)」と「実際に使ったことがある(利用率)」の間に大きな差があります。エン・ジャパンが2023年8月29日〜9月26日に転職コンサルタント利用者7,749人を対象に実施した調査では、退職代行サービスの認知度は全体で72%エン・ジャパン「退職代行」実態調査(2023年)でしたが、実際に利用した経験がある人は2%エン・ジャパン(2023年)にとどまりました。年代別では20代の認知度が83%エン・ジャパン(2023年)と最も高く、40代以上の64%エン・ジャパン(2023年)を19ポイント上回りました。

より直近のデータでは、マイナビキャリアリサーチLabが2024年7月4日〜18日に転職経験者800人を対象に実施した調査で、20代の利用率が18.6%マイナビキャリアリサーチLab「退職代行サービスに関する調査レポート」(2024年)と年代別で最も高く、年代が低いほど利用率が高い傾向が示されています。さらにパーソル総合研究所が2025年8月21日〜9月1日に離職者977人を含む計1,829人を対象に実施した調査では、離職者のうち5.1%(約20人に1人)が退職代行を利用したと回答しておりパーソル総合研究所「離職の変化と退職代行に関する定量調査」(2025年)、「全労働者」ではなく「実際に会社を辞めた人」に対象を絞ると利用率はより高く出ることが分かります。

退職代行サービスの認知度・利用率に関する主な調査(数値の出典は本文参照・2026年7月時点)
調査実施時期対象指標数値
エン・ジャパン2023年8〜9月転職コンサル利用者7,749人認知度(全体)72%
エン・ジャパン同上同上利用経験(全体)2%
マイナビ2024年7月転職経験者800人利用率(20代)18.6%
パーソル総合研究所2025年8〜9月離職者含む1,829人利用率(離職者)5.1%

企業側から見た「退職代行を使われた」割合

企業側の視点でも、東京商工リサーチが複数回にわたって同様の調査を実施しています。直近の2026年4月15日公開分(2026年3月31日〜4月7日実施、有効回答6,425社)では、2024年1月以降に退職代行業者を利用した退職があった企業は全体で8.7%東京商工リサーチ「退職代行からの連絡、企業の3割取り合わず」(2026年)で、前回調査(2025年6月)の7.2%東京商工リサーチ「退職代行による退職、大企業の15.7%が経験」(2025年)から1.5ポイント増加しました。規模別では大企業が21.3%、中小企業が7.8%東京商工リサーチ(2026年)で、企業規模による差が大きいのも一貫した傾向です。

なお、2024年6月19日公開分(2024年6月3日〜10日実施、有効回答5,149社)は「退職代行業者から連絡を受けた経験」を聞いたもので、全体9.3%、大企業18.4%東京商工リサーチ「退職代行業者から連絡、大企業の約2割が経験」(2024年)という結果でした。設問が「連絡を受けた」か「退職があった」かで異なるため、2024年分を2025・2026年分と単純に比較することはできません。

東京商工リサーチによる企業向けアンケート調査の推移(設問が一部異なるため単純な時系列比較は目安。出典は本文参照)
調査時期設問全体大企業中小企業
2024年6月連絡を受けた9.3%18.4%8.3%
2025年6月退職があった7.2%15.7%6.5%
2026年4月退職があった8.7%21.3%7.8%

2026年調査では、退職代行業者からの連絡を受けた企業の対応として「業者を間に挟んで手続きを進める」が41.3%で最多だった一方、「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」と回答した企業も30.4%東京商工リサーチ(2026年)ありました。民間業者による「交渉」は非弁行為(弁護士法72条)に抵触しうるため、企業側にもこうした警戒感があることがうかがえます。運営元による対応範囲の違いは退職代行の比較記事で詳しく整理しています。

若年層・20代の利用傾向

複数の調査に共通しているのが、20代の利用率・認知度の高さです。東京商工リサーチの2025年調査では、退職代行を利用した従業員の年代(複数回答)は20代が60.8%東京商工リサーチ(2025年)で最多、30代が26.9%東京商工リサーチ(2025年)で続きました(複数回答のため合計は100%を超えます)。パーソル総合研究所の調査でも、退職代行利用者は20〜30代で約50%パーソル総合研究所(2025年)を占め、前職の在籍期間が「1年未満」だった人が約40%パーソル総合研究所(2025年)と、一般の離職者の約2倍にのぼりました。入社から日が浅いうちに退職代行を選ぶ人が少なくないことがうかがえます。新卒・第二新卒特有の不安については新卒の退職代行利用は甘えかで扱っています。

「甘え」という言葉で検索する人が多いのも20代の特徴ですが、エン・ジャパンの調査では20代の利用理由の1位は「退職を言い出しにくかったから」(50%)エン・ジャパン(2023年)であり、逃げというより「伝え方」の選択として使われている実態がデータからも読み取れます。この点は退職代行は甘えなのかでも整理しています。

総合労働相談件数からみる「辞めたい」の広がり

退職代行そのものの統計ではありませんが、背景として厚生労働省の「個別労働紛争解決制度の施行状況」も参考になります。令和6年度(2024年度)の総合労働相談件数は1,201,881件厚生労働省「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2025年公表)で、5年連続で120万件を超えています労働政策研究・研修機構(JILPT)(2025年)。相談内容の内訳では「いじめ・嫌がらせ」が54,987件厚生労働省(2025年公表)で13年連続の最多、「労働条件の引下げ」が30,833件厚生労働省(2025年公表)で前年度比2.0%増でした。この統計は退職代行の利用者数を示すものではありませんが、職場を巡る相談自体が高止まりしている状況は、退職代行という選択肢が広がる背景の一つとして読むことができます。心身に負担を感じている場合は、総合労働相談コーナー(厚生労働省・無料)に直接相談することもできます。

「辞めたいのに辞められない」人の割合

「利用率」とは別に、そもそも辞めたいのに辞められない人がどれだけいるかを示す調査もあります。パーソルキャリアが運営するJob総研が2025年3月5日〜10日に現職の20〜50代585人を対象に実施した調査では、「辞めたいのに辞められなかった」経験があると答えた人は54.9%Job総研「2025年 退職に関する意識調査」(2025年)にのぼりました。辞められなかった理由は「転職先が見つかるか不安だから」が76.9%Job総研(2025年)で最多、「一時的に収入が減る不安」が38.6%Job総研(2025年)で続きました。退職代行が想定する「言い出せない」という悩みは、こうした調査でも半数以上の人が経験している一般的な感覚だといえます。言い出しにくさへの向き合い方は仕事を辞めたいのに言い出せないときの対処法で詳しく解説しています。

退職代行サービスの市場・事業者数

サービス提供側の実態については、帝国データバンクが2025年10月24日に公開した調査が参考になります。同社のデータベースや開示資料をもとにした調査では、退職代行サービスを展開する事業者は全国に少なくとも52法人帝国データバンク「主要『退職代行サービス』動向調査」(2025年)あり、このうち民間経営(株式会社など)が約6割、弁護士法人が3割強帝国データバンク(2025年)を占めました。利用料金の平均は29,410円帝国データバンク(2025年)で、弁護士法人が約44,700円、民間経営が約22,500円帝国データバンク(2025年)と、類型による料金差はおよそ2倍でした。また対象52法人のうち75%にあたる39法人が設立から10年以内帝国データバンク(2025年)であり、比較的新しい業界であることも分かります。なお、市場規模を金額(円)で示した信頼できる一次データは確認できなかったため、このページでは事業者数・料金構造にとどめています。料金の相場感については退職代行の比較記事もあわせてご覧ください。

このデータから言えること・言えないこと

最後に、ここまでのデータから言えることと言えないことを整理します。まず言えるのは、複数の独立した調査で20代の利用率・認知度が他世代より明確に高いという傾向が一致している点です。また企業側の「退職代行経由の退職を経験した」割合は、東京商工リサーチの調査で2025年6月の7.2%から2026年4月の8.7%へと増加しており、少なくとも直近1年では上昇傾向にあることが示唆されます。一方で言えないのは、「退職代行の利用者は全国で◯人」といった総数や、「毎年◯%ずつ増えている」という厳密な成長率です。調査ごとに対象者・母数・質問文が異なるため、単純な時系列比較や外挿には注意が必要です。数値を引用する際は、必ずどの調査のどの時点のものかをあわせて確認することをおすすめします。自分に合った退職代行のタイプを知りたい場合は退職代行タイプ診断も参考にしてください。

20代の利用率が高いというデータを踏まえ、男女別の労働組合提携型の専門窓口を紹介します。

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よくある質問

退職代行の利用率は結局何%なのですか?
調査によって2%前後〜5%程度と幅があります。対象が全労働者か直近の離職者かなど、調査設計の違いによるものです。
なぜ調査ごとに数値が違うのですか?
対象者(全労働者・転職経験者・離職者など)や質問文(認知度か利用経験か)が異なるためで、単純に比較できません。
企業側の「経験率」と個人側の「利用率」はなぜ差があるのですか?
企業側の数値は従業員1人でも該当すれば「経験あり」となるため、従業員数の多い大企業ほど高く出やすい傾向があります。
このページのデータはいつのものですか?
各数値の直後に調査年・実施時期を明記しています。新しい調査が公表され次第、随時更新します。